参入障壁が低くなったことでNFT(非代替性トークン)アートを販売してみたい、購入してみたいと思う方も少なくないでしょう。でも売買をすれば損益が生じます。となれば、そう「税金」も発生するんですね。
今回はNFTに手を出す前にどんな「メリット・デメリット」があるのかを見ていきましょう。
あやふやなNFT関連の税制
NFTアートをイーサリアムなどの仮想通貨で決済した場合、そこで生じた決済損益が雑所得となるので確定申告が必要となります。販売して仮想通貨を得たときも、そのときの時価で収益が認識されて税金の対象に。
問題は「取得したNFTアートを転売するとき」です。購入したときの「支出額」と転売したときの「取得額」の差額が売買損益となりますが、これに関する所得区分が税制上まだ定まっていません。現状では雑所得として扱われるのではないかとも言われていますが、正確には「不明」のまま。
NFT自体が新たな概念であり、法整備がまだ追いついてきていないのですね。あとになって法が整ってから税率が変わるかもしれないというデメリットがここに隠れています。
高騰する手数料(ガス代)
NFTアートの取引には仮想通貨のイーサリアムを使用するのが今のところ一般的ですが、このとき「ガス代」を呼ばれる手数料がかかります。需要が高まるほどにガス代は高騰するので、アートそのものを納得の金額で購入できたとしても「手数料がすごく高い……」と想定外の出費となる場合も。
少額NFTアートが一夜にして莫大な資産になることも
小学生のドット絵が数百万で売れたり、無名のアーティストがいきなり億り人になったりと夢のあるNFTの世界。誰でも販売・購入できるというNFTのメリットは、資産家への扉を開く可能性を秘めています。
半年で100倍以上の価値がついた作品などもありますから、投資対象としての魅力は十分と言えるでしょう。
そのため大手の投資家が目を光らせています。ただし投資対象となるということは株と同じように大きな価格変動も起きやすいということ。一気に価値が下落して、大きな損失となる可能性があることも忘れてはいけません。
さまざまなメリット・デメリットを把握してから、NFT市場に手を伸ばすようにしてくださいね。
1月19日にメッセージアプリとして圧倒的なシェアを持つLINEが世界180カ国で利用可能となるNFT(非代替性トークン)プラットフォーム「DOSI」のリリースを発表しました。すでに日本向けに「NFTマーケットβ」もスタートさせており、いよいよLINEもNFTとメタバースへの参入に本気を出してきたようですね。
また楽天もすでに「Rakuten NFT」というプラットフォームを持っていますし、三井不動産もデジタルアート販売専用ギャラリーを開設するなどNFTアート市場に乗り込んできています。
今回は「日本国内でNFT事業はどのように発展していくのか」についてご紹介しましょう。
一般利用者向けのNFT事業の発展
現在、メルカリがパ・リーグと連携してNFT事業に参入したり、SBIやGMOといったネット金融に強い企業がNFTマーケットを始めるなど国内でも多くの企業・グループが次々と名乗りを上げ、いまや群雄割拠といった状況です。多くの企業が参入するということはNFT市場の安定化・恒久化にも繋がるでしょう。
国内のNFT事業が賑やかになるにつれ、それまで仮想通貨のイーサリアムだけであった決済手段がクレジットカードで直接決済できるようになるなど利用者にとって嬉しい展開を見せていますよ。
NFTを購入してみたいけどウォレットを用意してイーサリアムを買って……といった手間が省けるようになるので、利用者拡大に繋がるでしょう。
活躍する日本人クリエイター
取引量100ETH(イーサリアム)を越える「おにぎりまん」さん。ちなみに1ETHは約40万円前後。可愛い女の子のイラストが人気で出品すればすぐに売れてしまうほどの人気クリエイターとなっています。
EXILE・関口メンディーも購入! 「ヨシオカ」さん。NFTアートを出品すればすぐに完売。注目度急上昇中のNFTクリエイターです。
意外なところでは漫画の神様「手塚治虫」氏。手塚プロが故・治虫氏の原画を元にジェネレイティブNFTアートを販売しています。第一弾の「鉄腕アトム」は1000個のNFTアートに。出品後、1時間で完売したそうです。
裾野の広がる日本NFT市場
すでにコンテンツを持っている団体、プロとして活躍してきたアーティストだけでなく、無名だったクリエイターが続々と人気を獲得し名を上げています。国内企業の事業参入が進むほど、この傾向は拡大されていくことになるでしょう。NFTクリエイターとして参入するのであれば、今こそまさに「旬」のタイミングですね!
次回は「NFTのメリット・デメリット」をご紹介。安易に手を出しても大丈夫なのか、販売・購入に危険はないのかなどをお伝えします。
米国時間2021年1月4日の夕方、NFTマーケットプレイス(取引・販売ができるプラットフォーム)最大手OpenSeaの評価額は1兆5000億円を超えました。次々と大企業や著名人が参入し、NFT市場の規模はいまだ天井知らずといったところです。
完全に日本語に対応していて審査なしで出品できるLEAD EDGE、イーサリアムなどの仮想通貨ではなく日本円で販売・購入ができるHEKAといった参入障壁のとても低い、手を出しやすいプラットフォームも増えています。
今回は「自分でもNFTアートをつくりたい・出品したい」という方のために具体的な方法・手順をご紹介します。
NFTアートを「つくる(発行・出品する)」には
デジタル化されたアート、また音楽やアイテムを用意しても、それだけではデータをいくらでもコピーできるためオリジナルとしての価値が保証されません。データとしては同じものなのでオリジナルとコピーの区別ができないのです。
そのためブロックチェーン上に所有権など権利情報を書き込み、「唯一性」「オリジナル性」を担保する必要があります。これにより「他に代わりがない(非代替性)」の「権利情報が含まれたデータ(トークン)」となるのですね。
用意したオリジナルのデジタルコンテンツ(アート、音楽、動画、アイテム等)をNFTマーケットプレイスでタイトルやアーティスト名などの詳細を記入してアップロードすることによってNFTとして発行されることになります。この際「発行手数料」が必要となることがほとんどです。
発行されたNFTを「固定価格」「オークション」「グループ販売」などカテゴリを設定すれば、出品されて販売が始まります。
Raribleというマーケットプレイスでは手数料をNFT購入者が負担するというシステムを利用することによって無料で出品が可能となっています。また新たに立ち上げたマーケットプレイスでも期間限定ながらも手数料無料キャンペーンなどをやっているので、初期投資をできるだけ抑えたいのならば最新情報のチェックは欠かせません。
ただし使用するブロックチェーンやマーケットプレイスによって発行したNFTの機能や価値が変わることもあり、別のマーケットプレイスでは出品できないといった可能性も出てきます。どこでどのように販売していきたいのか、どことどこが連携しているのかなどを把握してから発行するようにすべきでしょう。
次回は市場が膨らみ続けているNFT事業が一時的なバブルなのか、それとも恒久的に安定していくものであるのか、「国内でのNFT事業の展望」についてお伝えします。
バスケットボールの神様、マイケル・ジョーダンが息子と一緒にアスリート特化型のNFTプログラムを立ち上げることを発表したり、アディダスがNFTでおよそ27億円の売上を発表したりと話題に事欠かないNFT(非代替性トークン)界隈。販売されているNFTアートなどのコンテンツは保有していると将来価値が上がる可能性も高く、投資先としても期待値が高いようですね。
新たなプラットフォームも増えていますが、どうやったらNFTをはじめられるのでしょう。まずは「NFTアートの購入方法」から解説していきます。
・NFTアートの購入には仮想通過が必要! 仮想通貨取引所でアカウントを作成
NFTでの主要通貨イーサリアムを扱っているサイトで会員登録をしましょう。手順は本人確認書類を提出したり電話番号認証をしたりと銀行口座を開設するのを同じ感覚です。これで仮想通貨を購入することができるようになります。
・ウォレットの作成
ウォレット(財布)とは仮想通貨を管理するための、まさにデジタルな財布です。「MetaMask」や「Coincheckウォレット」などが代表的。PC版、モバイルアプリ版がありますし、同期もできますからご自身の環境に応じて登録してウォレットを作成しましょう。先の仮想通貨取引所でイーサリアム等を購入し、ウォレットに送金してください。
・NFTプラットフォームにウォレットを接続する
「OpenSea」等のNFTプラットフォームとご自身のウォレットを連携させます。この段階であとはお好きなNFTアートのオークションに参加するなどして購入するだけ。
*注意点
仮想通貨の取引には手数料がかかります。NFTアートそのものが少額でも手数料が高くつくことも。また資産価値が上がる可能性もありますが同じく下がる可能性もあります。メリット・デメリットを踏まえた上で購入を決めましょう。はじめは少額での取引からスタートすることをおすすめします。
NFTアートを自分ではじめたい
購入するだけがNFTではありません。アート作品、楽曲などオリジナルのコンテンツをNFTアートとして出品・販売することも可能です。12歳の少女がNFTアートとして自分の作品を出品し、1億8000万円以上を売り上げたり、小学3年生の少年が夏休みの自由研究で描いたドット絵が数百万円になったりと夢いっぱいのNFTアーティストになるにはどうしたらいいのでしょう。
自分で出品するに際しても仮想通貨取引所のアカウント登録、ウォレット作成、プラットフォームへの接続などは購入のときと同じ。あとはオリジナル作品を用意して、プラットフォーム上で求められる詳細情報を記入、そしてデータをアップロードするだけで出品準備は整います。
最後にプラットフォームから「売る」をクリック。販売のタイプは固定価格、オークション、グループ販売などがあるので自由に選択してください。一夜にして奥を稼ぐという夢を見るなら、ここはオークション一択かもしれませんね。
*注意点
NFTアートはデジタルアートです。絵画であれ音楽であれデジタルデータとして出品することになります。作品のデジタライズが難しい場合、制作会社等に依頼するという方法もありますよ。
NFTアートの購入・販売、いずれも仮想通貨の取引開始とウォレット・プラットフォームの接続という最初の壁を乗り越えてしまえば意外なほど簡単に参入できるものです。まずは仮想通貨取引所のアカウントをつくるという第一歩から踏み出してみましょう。
次回はNFTアートで億り人になる夢を叶えたい、NFTアーティストになってみたいという人のためにより具体的な「NFTアートのつくりかた」についてご説明いたします。
2021年3月11日、長い歴史を誇る美術品オークションハウス・クリティーズに出品されたNFTアートが約75億円で落札されたことで大ニュースとなり、巷間に「NFT」というキーワードが轟きました。
またTwitter創設者の15年前のツイートがNFTとして競売にかけられ3億円以上で落札されたり、横浜DeNAベイスターズが試合の名シーン動画をNFTとして販売を開始したりと話題は尽きることがありません。
盛り上がっているのはわかるけれど「NFTってなんだろう?」と疑問符が頭の上に浮かんでいる人も少なくないことでしょう。今回は「NFTとは何か」についてざっくりと解説していきます。
NFT(Non Fungible Token)とは、日本語では「非代替性トークン」。「非代替性」というのは、「他に替えられない」ということ。つまり唯一性が保証されたデジタル上の「もの」ですね。ビットコインやイーサリアムなどのデジタル通貨と同じくブロックチェーン技術を使用していますが、通過と違うのは一品ものであるという部分。このおかげでデジタル上でものを所有することが可能となったのです。
デジタルデータではあるけれど改ざんすることができませんし、所有権がはっきりとしているのが特徴と言えるでしょう。
明確に「もの」としてデジタル上に存在するようになったことで真贋も明確になり、資産としての「価値」を持つようになったことがNFT市場の爆発的な拡大を招いています。
現在、NFTはアートやミュージックといった分野だけでなく、ゲーム内でのアイテムや仮想通貨にも応用されて、実際にそれらを自国の通貨に換金できるといったサービスなども始まっています。絵画や美術品といったリアルで物理的なものの所有証明書としてNFTを活用するといったケースも増えているようですね。
NFTが利用される分野は日夜新たに拡大しつつあり、今後も大きなビジネスチャンスを生み出すことになるでしょう。
そんな流れに乗ってみたい、NFTをやってみたいという方のために次回は「NFTのはじめかた」について解説いたします。